優先順位をつける

やるべき事、つまりは、最小単位の作業を「全て」書き出すまでに進むと、次は、どれからやるのか?つまり、優先順位を付けるという、誠にややこしい手順を踏むことを迫られます

仕事効率化、などについて語る場合には、まず、必ずと言って良いほど登場しますよね でも、どうやるのかについては、あまり見かけないのでは無いでしょうか 少なくとも私は、見かけたことはありません

優先順位と言うからには、順番のことなのですが、問題なのは前半の「優先」の意味ですよね 正直、二つならどちらを優先するかを決めるのは、そう難しいことではありません もっとも、究極の選択ってのがあるので、そういう時は、悩まされますけど、そんなことは滅多に有りませんから

で、この優先順位の「優先」なのですけど、私個人としては、「相手に寄る」のを最初の原則とします 例えば、お客様相手の場合は、社内でのことに優先する、って感じです ところが、たまに社内の方が大切な時もあり得ますよね、査定に関わるとか

例外が発生するってことは、原則には出来ないってことでしょう 仕方が無いので取り入れたのは、締切までの日数です 先に申し上げた「やるべき事は、大きな仕事から切り出されたもので、その仕事には締切がある そして、その締切を守るためには、個々のやるべき事にも締切が発生する」これに従うなら、それぞれの作業の締め切り日を決めることになります

繰り返しになりますが、このとき、二つ以上の作業が、一つの作業が終わらないと着手できない場合、それがボトルネックになる可能性が高い そのため、ボトルネックに成り得るものを「予め確定する」必要があります

いずれにしても、全ての作業の進捗を見ながら、それぞれの作業のうち、どれに着手するのか、その順番が「優先順位」だと言って、問題ないと思います 個々の作業の着手の順番を決めるときには、締切までの日数が少ない順にすれば、例外は発生しなくなるはずです

優先順位を「重要性」などの、定性的な基準に従おうとすると、非常に面倒になってしまいがちですが、日数という定量的なものに置き換えれば単純に数が少ない方から着手する、ということになります

但し、学生さんにしろ、勤めている方、または、自営業の方であろうと、皆さん、一つの仕事だけ、っていう幸運な方は、希でしょう 学生さんなら、それこそ何時も複数の課題をやらねばならないので、それぞれの締切、恐らくは提出期限を気にせねばなりません お勤めの方は、一つだけの仕事に専念できるとしたら、それならタイム・マネジメントは必要ない、ひたすらかたづけて行けば良いわけですが、そういう方は希じゃないでしょうか

仕事と呼んでおりますが、別に仕事って賃金を貰ってやることに限られるわけじゃありません 家事もボランティアも、何だったら趣味のためのことも、全部「やるべき事」が一塊になっていると考えれば、何時も、誰でも、複数のことを同時進行でやっているわけですから

この同時進行ってのが、優先順位を付けることを、不必要にややこしくしてしまいがちだと思うのです そのため、やるべき事は、元の仕事がどんなものであっても、それを仕上げるまでに残っている日数で着手の順番を決めることに統一すると、非常にシンプルで楽になります

ところが、このとき、切り分けが上手くいっていないと、このやり方は通用しなくなってしまいます 特に妨げになるのは、一つの「やるべき事」がその日のうちに終わらない場合です 簡単に言うと、その「やるべき事」が最小単位にまで切り分けられていないため、一つのことに数時間を要するほどの、まだ、大きいままだと、一日のうちに作業に許される時間では終わらないことが考えられるということですね

9時から5時まで働くとして、一人の作業時間として確保できる時間は人によって違うのは当然ながら、忙しい人に許される時間は、豊富とは言えないためにタイム・マネジメントが必要となるわけですから

理想としては、会議や応対などの予め決まっている「予定と予定の合間の時間」に、一つの作業が終わる事だと思います そうなると、一つの作業にかけられる時間は、せいぜい1時間程度、長くて1時間半位が現実的でしょう 忙しい人の場合、この時間を確保するのが難しくなるので、どうしても残業による長時間労働が当たり前になってしまいがち

ワーク・ライフ・バランスの観点からも、仕事は効率よく終わらせて、明日のために、食事、入浴以外にリフレッシュできるだけの休養と睡眠を確保するが出来ないと、結局、仕事の効率が上がらないため「労働の再生産にかけられる時間」が不足して、残業時間が長くなってしまう悪循環から抜けられなくなってしまうのではないでしょうか

締切までの残りの日数が迫っていても、一つ一つ確実に終わらせるには、集中力継続の平均時間である90分以内に終わらせることが出来るよう、切り分けに工夫が必要と言うことになります

あと、エクセルでグラフを作る例の時に挙げた、数値を入手する時などに、人に依頼してその結果を待つ必要がある場合は、ゆとりを持たせておかないと、ボトルネックになってしまうことも、ここで敢えて書いておきます 全てが自分のコントロールでなんとでもなると言う人は、幸運な方ですが、私の知る限りでは、仕事は人と一緒にするものですから

まとめておくと

仕事を切り出して、やるべき事を決める時には、その作業は「予定と予定の合間」に確保できる90分を最長として、切り出しには工夫をする その上で、締切を設定して締切までの残りの日数が少ないものから着手する ただし、他の人に依頼して結果を待つ場合は、それにかかる時間は十分なゆとりを持たせておかないと、次の着手の妨げとなってしまうことになりかねないので、注意が必要です
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